日本の農業の先行きが懸念されるなか、食用農水産物が最終市場に至るまでに製造、流通の各部門にどれだけの取り分を生み出し、それが意味することは何か――。統計資料から筆者が解き明かす。

わが国農業の先行きが危ぶまれている今日、わが国の農業と農政がどのような課題を抱えているのか。それについて専門家の意見を聞く機会があった。私は、農業・農政に関してはまるで素人だが、それに関係して専門の流通業に関わる興味深い資料があった。それは、わが国で生産されたあるいは外国から輸入された食用農水産物(ないしは加工品)が、最終市場に至るまでに、各部門にどれだけの取り分を生み出しているかを算定した資料である。今回は、この資料を紹介し、その意味するところを少し考えてみたい。

わが国で消費される飲食料は、「生鮮品」「加工品」、そして「外食」の形で消費される。資料は、2005年と少し古いが、今のところその資料しか手に入らないので、それを使おう。