フォロワー数を競う意味はない

フロムイエロートゥオレンジ 
代表取締役 飯野賢治 

1970年、東京都生まれ。90年代よりゲームクリエーター、文筆家などとして活躍。ツイッターアカウントは@kenjieno

ツイッターアカウントを持っている企業の方から「何をつぶやいたらいいのか?」「つぶやいてはいけないことは?」というご相談をよく受けます。

それに対する僕の答えは「そんなこと、あまり気にしなくていいですよ」。

たとえば2010年、UCC上島珈琲がツイッター上で実施したキャンペーンがユーザーの批判を浴び、“炎上”する事件がありましたが、即座にキャンペーンを中止し謝罪文をリリースしたところ、すぐに“鎮火”できました。悪意でひどいことをしたら別ですが、何か失敗しても素直に「申し訳ありません」と謝れば火消しできるんです。

企業アカウントでも個人ユーザーでも、いろんなことを気にしすぎてガチガチになり魅力的なツイートができなくなるほうがバッドなので、「こうすべき」なんて気にしないのが一番だと思います。そうでなければわざわざツイッターなんてやる意味がありません。

今のツイッターユーザーにはフォロワーを増やすのがいいという文化がありますが、それも間違いです。以前、著名人やブロガーがツイッターからのおすすめユーザーとして紹介された時期がありました。その人たちは半ば自動的にフォローされたので、20万人ものフォロワーがいたりします。

でも、その人たちがリンクを張ったツイートを確認してみると、実は大してクリックされていません。結局、半自動的に増えたフォロワーはその人自身に興味があったわけではないので、何をツイートしたところであまり反応してもらえないのです。逆に、なんらかの機会にその人のツイートを見て、「面白い」と思ってフォローしてくれたフォロワーは接着度が非常に強い。

重要なのはフォロワーの数を競うことより、フォロワーとの関係性をどう築いていくかのほうです。要は「愛される人」にならないとダメなんです。