まずは「そうなんだ」と受け止めてから質問
①「傾聴→承認→質問」の法則
傾聴、承認、質問は「9:3:1」の割合で愛情を込めて行いましょう。
どういうことかというと、子どもの話に対して、9倍くらいの気もちで傾聴(その子のこころのなかを聞く)し、3倍くらいの愛情の承認を与え、やさしいトーンと明るい雰囲気で1つ質問をするという法則です。数字はあくまでも目安なので、そのくらいのつもりで対応してほしいという意味です。
たとえば忙しいときに「お母さん、今日こんなことがあったんだ」と子どもが話しかけてきたとき、どんなふうに聞いてあげますか。
ここで大切なのは、言葉だけでなく、声のトーンと表情です。同じ「そうなんだ、よかったね」と答えるにしても、「そうなんだー♪ よかったね〜♡」と、やさしく受け止めてあげてください。文字ではトーンがなかなか伝わらないので、絵文字で表現してみましたが、あなたなりのやさしい受け止め方でOKです。
「そうなんだ」「そんなことがあったのね」という受け止め言葉は、ぜひ口ぐせにして、傾聴→承認→質問の順番と量を意識しつつ、大切に受け止め、そのあとに質問してあげると、たったそれだけで子どもの自己肯定感や特性が発揮されていきます。
ネガティブな言葉は「否定脳」を育てる
②脳の仕組みを知り、肯定的な言葉でコントロールする
少し難しい言葉ですが、RAS(脳幹網様体賦活系)という脳機能があります。RASには、自分が興味や関心がある情報を無意識に多くインプットする役割があります。自分が積極的に注意を向けているものを、いちばん重要視するという、フィルターのようなものです。
簡単にいえば、五感から入ってくるあらゆる情報のなかで、必要な情報だけに意識を向ける、逆にいえば必要のない情報は入ってこないようにするのが、RASの役割です。
この機能を活用します。つまり、ポジティブな言葉かけ、肯定的な言葉を親が使うようにするのです。親がポジティブな部分を見いだすと、子どももどんどんポジティブなことを探し、ポジティブになっていきます。親からの肯定的な言葉や話を聞くことによって、子どもは肯定脳になっていくのです。
逆にいえば、ネガティブな言葉のシャワーを浴びてしまうと、どんどん自己肯定感が下がっていきます。残念ながら、ネガティブな言葉や否定系の言葉は、ポジティブな言葉や肯定的な言葉よりもインパクトが強いので、それだけ印象に残ってしまいます。すると、ネガティブな情報だけを集める否定脳になってしまうので、注意しましょうね。