ChatGPTを使うなら、検索エンジンで検索したほうが早いのではないか、という指摘がある。これについて近刊『ChatGPT「超」勉強法』が話題の野口悠紀雄さんは「ChatGPTは検索や読書をよりよく、効率的に使うためのツールだ」という――。(第5回/全6回)

※本稿は、野口悠紀雄『ChatGPT「超」勉強法』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

検索語が分からないと、検索エンジンで調べられない

ChatGPTは上手に活用すれば勉強するうえで理想的な手段になりうる。問題は、ChatGPTが出力する結果が常に正しいとは限らない点だ。ChatGPTの答えにハルシネーション(幻覚)があるかどうかを検証するため、検索エンジンでチェックすべきだ(*)

*『ChatGPT「超」勉強法』第2章

これに対して、「それなら、最初から検索エンジンで調べればよいではないか。ChatGPTの出番はない」、あるいは、「いちいち検索エンジンで確かめるのは面倒だし、手間がかかる」という意見があるかもしれない。

しかし、そうではないのである。まず、検索語が分かれば、検索エンジンで調べるのは、たいした手間ではない。

それだけではない。検索エンジンには本質的な限界と問題があるのだ。第1に、検索語が分からないと検索できない。第2に、ヒットした記事に知りたい情報があるかどうか、分からない。

ChatGPTは、こうした状況を大きく変えるのである。

頭に指を当てて悩む男性
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検索語が分からない場合の「八艘飛び検索法」

調べたいものの名前が分かれば、検索エンジンで調べることができる。しかし、名前が分からない場合(あるいは、忘れた場合)、それを検索エンジンで調べるのは容易なことではない。

人名、会社名、地名などの固有名詞について、「名前を忘れた」という問題がしばしば生じる。また、道具や工具、部品などの名前、花の名前などが分からないことがある。「工具や部品をアマゾンで買いたいのだが、名前が分からないので買えない」こともある。

そこで、ウェブの検索技術が重要になる。「名前が分からない対象を検索するには、どうしたらよいか?」ということだ。

私は、この問題を解決するために、様々な方法を考えた。例えば、「八艘はっそう飛び検索法」だ。これは、何か1つのきっかけを掴み、そこを出発点として共通集合をつぎつぎに渡り歩くことによって、目的の名前が入っている集合を見出そうというものだ(*)

*野口悠紀雄『超「超」整理法』第4章の3。

この方法はかなり有効だ。しかし、必ず検索語を見出せるとは限らない。