誘惑は多いが気づきを得られる場所も多い

同じことは大学生活にも言える。

首都圏や関西圏のほうが刺激は大きい。様々な誘惑に引っ掛かりやすいというデメリットはあるものの、大学のゼミなどで赴くフィールドワークが最先端の場所であること、大学で講義を行う実務家の教員の質が高いこと、そして、学外で言えば、アルバイト先の豊富さ、見学する場所の多さ、世界各地から集まる人々と触れ合う機会の多さなど、気づきを得られる場所がふんだんに用意されている。

清水克彦『2025年大学入試大改革 求められる「学力」をどう身につけるか』(平凡社新書)
清水克彦『2025年大学入試大改革 求められる「学力」をどう身につけるか』(平凡社新書)

やがて訪れる就職活動に関しても、大都市圏のほうが企業のインターンシップに参加しやすく、OB訪問なども容易で、採用試験本番でも長距離の移動をしなくて済む。

「田舎のネズミと街のネズミ」、田舎のほうがいいというのがイソップ寓話のストーリーだが、大学生活の場合は、それとは異なり、「街のネズミ」に分がある。

日本よりも受験熱が高い韓国では、首都ソウルとそれ以外の街にある大学とでは、難易度も卒業後の就職も雲泥の差がある。日本の場合、地方にも魅力あふれる国公立大学や私立大学はあるが、何らかのアドバンテージを得たいなら、大都市圏の大学という選択も有りなのではないだろうか。

保護者がそういう考えに立つことも、高学歴を得させる一助になる。

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