「成長枠」で買うべき商品
次に、成長枠で買うべき商品もご紹介します。
こちらは自由度が高い分、より迷ってしまう方が多いのではないでしょうか?
選択肢としては、個別株・投資信託・ETFのどれでも選ぶことができます。
中には配当金が欲しいという方も一定数いると思いますが、その場合は配当金が出る個別株やETFを入れる必要があります。
しかし、3000万円までは資産を育てる「資産形成期」のため、この段階でこれらを入れることはおすすめできません。
というのも、NISAは簿価(購入した時の株価)ベースで計算されるため、途中で配当や分配が出る個別株・ETFよりも、利益を確定せずに含み益を積み上げていける無配の投資信託のほうが、より簿価を上げることなく効率的に非課税枠を運用できることになるからです(※)。
※無配の投資信託は、運用益が自動的に元本に組み込まれて再投資されるため、複利効果が得られる。一方、配当が出る商品は、投資益が含み益から配当分が減額されてしまうので、含み益を積み上げることで得られる複利の恩恵を最大限得られなくなる。また、配当金を再投資するとその分非課税投資枠が埋まってしまう。
資産形成期は極力利益確定をしてはいけない
なるべく早くまとまった資産をつくりたい人は、NISAでは、配当金や分配金を出さないのはもちろん、売却も基本的にしないのがベター!
資産が3000万円を超えて、効率的に増やすよりも効率的に取り崩しがしたい段階になってから、一部を個別株に移行するのはアリです。
ということで、結論は、3000万円までの資産形成期は成長枠のほうも「無配のインデックス型投資信託のみに絞る」が正解。
おすすめはつみたて枠と同じく、「三菱UFJ eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」または「楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド」になります。
しかし、いくら全世界株式が最適解とは言っても、全部を同じもので埋めるのはつまらないなぁとか、どうせなら勉強のために違う商品も入れてみたい! という方もいらっしゃいますよね。
その場合は、「無配のインデックス型投資信託」でも特色の違う3種類で「布陣」を固めるのもおすすめです。その3つは何かというと、ズバリ「S&P500」「TOPIX」「FTSEの新興国株式」!
30年以上という超長期運用の場合、数十年後にどこの国が栄えているのかわからない以上、「全世界株式」が最適解であることには変わりありません。しかし、10年前後のスパンであれば、現在最強の米国、底堅い日本、そして今後大きく発展期待がある新興国の3つを持っておいて、市場動向に合わせてその3つのウエイトを調整するのもアリです。
以上が新NISAを使って3000万円をつくるために最適な投資方法です。ぜひ、参考になさってくださいね。