なぜ数字を示すと相手に納得感を与えられるのか
「明るい・暗い」「暑い・寒い」「うるさい・静か」など、感覚的なものは「見えないもの」です。これらは、人によって感じ方がさまざまです。自分が「明るい」と思っていても、相手は「それほど明るくない」と思っていることもあるでしょう。自分と相手との間に、このような「解釈のズレ」があると、相手に納得してもらうのは容易ではありません。
こうした「感覚的なもの」は「数字」として見える形にすると、納得感が高まります。なぜならば、「数字」は誰が見ても同じ事実だからです。
数字は計測器を使って測定することができます。
例えば、明るさを測定するなら「照度計」、温度なら「温度計」、騒々しさなら「騒音計」を使えば、「今ここで起きている現象」を「数字」で目に見える形にすることができます。「体温計」や「血圧計」といった医療用の測定器も、目には見えない体の状態を数値化してくれています。そのおかげで、私たちは今の状態が正常かどうか判断することができます。
二酸化炭素濃度測定器を導入する店舗が増えた理由
コロナ禍では、室内の二酸化炭素濃度を測定して表示する「二酸化炭素濃度測定器」を設置しているお店が増えました。これも、室内の環境を見える形にした例です。
「感染症対策のために、換気をしています」と言葉でいくら説明しても、室内の空気の状態が見えなければ安心できない人もいたでしょう。「換気している」という言葉より、「二酸化炭素濃度」という数字で示されたほうが、説得力があります。
ビジネスの場では「事実」は「判断の材料」です。どれだけ正しい事実を集めるか、どれだけ精度の高い事実を集めるかが大事です。その「事実」を集めるのに役立つのが計測器などの、「数値化するための道具」です。
感覚ではなく数値化すると、相手に納得してもらえる説明ができるようになります。