決裁者が気にしそうなポイントを予測して準備する
私は、商談ではありませんが、コスト削減のための対策を生産部門によく提案していました。
あるとき担当者に、「この対策を行うことで、年間○○円のコスト削減ができる」といったメリットや、具体的な進め方を話して好感触を得ました。ところが、生産部門の担当者が上司に報告すると、上司から「他の工場では同様なことを行った実績はあるのか」「コスト削減ができることはわかるが、どのようなリスクがあるのか」といった質問が出てきたのです。それで、私は質問に対する回答を作り、再度生産部門の担当者に送り、先方の上司へ説明してもらいました。
このように、何度か質問のやりとりが発生すると、お互いに手間が増えて仕事が先に進みません。そればかりでなく、「十分に考えないまま仕事を進めている」という印象を決裁者に与えてしまいます。
決裁者が気にしそうな内容を事前に考えたり、以前に聞かれたことをメモに残しておき、想定問答集を作っておいたりすることで、段々と一発で提案が通るようになりました。
決裁者は担当者より視座が高いので、どんな質問をしてくるのか担当者では想像できないこともあるでしょう。そんなときは、「この提案を決裁する立場だとしたら、どんなことが気になりますか」と自分の上司に相談してみるのも、1つの手です。
「プランAとBではどう違う?」と聞かれたらどう答えるか
「Aという商品とBという商品は、どう違うのですか?」とお客様から質問をされたとき、あなただったらどう答えますか。以前の私は、こんな風に説明していました。
「Aは○○という特徴があって、Bは□□という特徴があります」
つまり、私はAとBの違いを説明していました。
これは、聞かれたことに答えているように見えますが、実は違います。
相手が本当に知りたいことは、「自分の今持っている課題を解決する方法」です。
「AとB、どちらも解決できそうだけど、何が違うのかな」と思っているところに、AとBの違いだけを説明されても、「で、どうすれば?」と戸惑ってしまうだけです。