元妻2人は結婚を機に専業主婦になっていた

加えて、余計なお世話かもしれませんが、3回目の結婚の際には、パートナーの方は専業主婦ではなく、働きに出てもらうほうがリスクヘッジになる、という話もさせてもらいました。彼の元妻2人は、結婚前までお勤めをされていて、結婚後も働きたかったそうなのですが、聞けば、五十嵐さんが専業主婦になることをすすめたそうなのです。「どうして妻に家に入ってほしいの?」とたずねると、「実家もそうだったし……忙しいから、精神的な拠り所が欲しくて」と、もごもご。なんでも、仕事ではずっと相手の話を聞いているので、せめて家に帰ってからは、自分の話をじっくり聞いてくれる人がいいんだとか……。

「彼氏彼女」や事実婚でなく法的な婚姻関係にこだわり、相手を専業主婦に転身させるのは、妻を自分の所有物のようにしたいからではないかと、邪推してしまう私がいました(もちろん、結婚したからといって、妻は夫のものではないのですが)。

キッチンで料理をしている女性
写真=iStock.com/lielos
※写真はイメージです

夫婦が互いに自立していることはリスクヘッジになる

また、「クリエイティブであるためには付き合いをしないと」ということも再三、口にしていたのですが、仕事を言い訳にして、節約や家庭での役割を放棄してきた面もある気がしています。五十嵐さんが毎日パリッとアイロンがけされたシャツで出勤できていたのも、子どもがすくすくと健康に育ってきたのも、妻や周りの人のケアがあったからでしょう。物腰が柔らかく、女性を尊重しているように見えながらも、結局のところ、どこかで自分が妻を養っているという感覚があったのかもしれません。

3度目の結婚をするかどうかわかりませんが、結婚において、互いに経済的・精神的に自立をしていることが最良のリスクヘッジであることをファイナンシャルプランナーとしてお伝えしつつ、五十嵐さんには、相手の生き方を尊重することも大事にしてほしいと、僭越ながら、感じた次第です。

(構成=小泉なつみ)
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