党員資格停止か選挙非公認どまりか
党の処分は難しいものとなる。その処分内容によっては党内に亀裂が走るリスクを伴うからだ。処分が軽ければ、世論の反発を招く。4月の衆院補選やその後の国政選挙は厳しい結果が出るだろう。重ければ、安倍派や二階派からの反発は必至だ。9月の総裁選に候補を出さない安倍派は「大票田」となるが、総裁再選を期す首相、総裁選出馬に意欲を示す茂木氏が、重い処分に踏み込めるのか。
茂木氏は2月1日のBSフジ番組で、安倍派幹部の処分をめぐって「今までは刑事事件などで立件されるときに離党や離党勧告(処分)をしてきた」と述べ、そこまで切り込まないことを既に示唆している。過去の処分例として、21年1月にコロナの緊急事態宣言中に東京・銀座のクラブで飲食した松本純元国家公安委員長ら3人が離党勧告を受けているが、茂木氏は「これまでの処分歴を見ると、若干重すぎる」とも語っていた。
党内からは、安倍派幹部の処分の相場観について「党員資格停止」か「選挙の非公認」ではないかとの見方が広がりつつある。
岸田首相は、党内外の世論をどう読み、どう決断するのか、政権の浮沈、総裁選の構図にも直結するだけに、党の処分問題は政局の節目になるだろう。