私たちはいま、助成金がなくても自立して運営ができるよう検討を進め、一部で導入をしています。例えば、ディスプレーに広告を表示するデジタルサイネージ。すでに一部の喫煙所で導入を進めています。

平均的な利用者は2~5分、喫煙所に滞在することになります。こんな場所は他にはありません。利用者の時間の「スキマ」を収益化しようというのが狙いです。

吸う人も、吸わない人も快適に過ごせるようにしたい

さらに自販機という強みがあります。私たちは自販機ベンダーであり、飲料メーカーではありません。どのメーカーの飲料を販売するか選べるだけでなく、自販機で売る商品を飲料に限定する必要もありません。最近では冷凍食品を売る自販機も登場しています。自販機の可能性はまだまだあると思っています。

――これからの展望を教えてください。

喫煙所の利用者は、2~5分をその場で過ごします。多くの人はスマホ画面を眺めているだけですが、自販機の力でそれを大きく変えたいと思っています。

私たちは「都会のスキマ」を活用するために自販機事業を始めましたが、喫煙所で休息する利用者の「心のスキマ」にもビジネスチャンスがあると考えています。自販機でつい買いたくなる商品を開発し、喫煙所の時間をよりハッピーなものに変えていきたいと考えています。

喫煙所のネットワークを活用した「喫煙者100万人プロジェクト」というアイデアもあります。不動産オーナーからすれば喫煙所は維持費だけがかかる「デッドスペース」と見なされるのが現状ですが、切り離された喫煙所を連携させることで新しい価値が生まれると前向きに捉えることができると思っています。

喫煙者が安心してタバコを吸える場所を維持することで、吸う人も、吸わない人も、快適に過ごせる街になるよう、少しでも貢献できればと考えています。

スキマデパートの芳屋社長
撮影=プレジデントオンライン編集部
タバコを吸う人、吸わない人が共存できる環境を目指す
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