日本株が上昇する余地はまだある
また、中東の地政学リスク次第で原油価格が上昇し、世界的に景気の減速とインフレ懸念が高まる恐れもある。11月の米大統領選挙でドナルド・トランプ氏が再選される可能性も、株価調整のきっかけになるかもしれない。
一方、中長期的に、わが国の株価は一段と上昇する可能性はある。熊本県でのTSMCの工場建設に引き寄せられ、内外の半導体メーカー、製造装置メーカーなどが対日直接投資を積み増した。2027年に北海道でラピダスは回路線幅2ナノメートルの半導体量産を開始する予定だ。1ナノメートルのチップ生産も目指す。
わが国で、TSMCとラピダスが世界トップの生産能力を発揮する期待は高まった。わが国の半導体産業の成長により、これまで以上に純度の高い半導体関連部材、より精密な製造装置の需要は増える。
関連分野で業績拡大期待が高まる企業は増えるだろう。わが国経済の本格的な回復の可能性も上昇する。そうした変化が明確になり、中長期的に半導体関連分野を中心に株価が一段と上昇することを期待したい。