【永久不変な不適切編】

世の中がどんなに変わっても、揺るぎなく「不適切」という言動はあります。人間の業というか弱さというか、さまざまな甘い誘惑から逃れるのは簡単ではありません。

フレーズ4「新しいやり方にするなんて俺は聞いてないぞ」

〈不適切ポイント〉いつまでも地位にしがみついて、昔ながらの非効率で不合理なやり方や、もはやずれまくっている自分の感覚を変えようしない人は、いつの時代もたくさんいました。いわゆる「老害」です。本人は「会社のため」「みんなのため」に、経験豊富な自分がビシッと言ってやったと思い込んでいるし、なまじ権力を持っていたりもするので、始末に負えません。「俺は聞いてない」と自分のメンツに強くこだわっているのも、念入りに不適切です。

窓に向かって立つ二人のビジネスマン
写真=iStock.com/metamorworks
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フレーズ5「俺はいいと思うけど、上がなんて言うかなあ」

〈不適切ポイント〉よく聞くセリフですが、さまざまな「不適切」が凝縮されていると言えるでしょう。目の前の相手には「自分は賛成(味方)だ」といい顔をして自分を守りつつ、望ましくない判断をする役を「上」に押しつけています。もともと「上」にタテつくつもりも、自分で判断するつもりもありません。結果的に「私は無責任で卑怯な人間です」と伝えてしまっているフレーズです。「前例がない」という言い訳も、同様の意味で不適切です。

フレーズ6「今の若いモンは~」「今の政治家は~」「今の母親は~」

〈不適切ポイント〉「今の日本社会は~」「今のお笑いは~」など、「今の」の後ろにはさまざまな言葉を入れて、嘆いたり批判したりすることができます。そして、いつの時代でも使えます。この言い回しを使っている本人は、「俺様の鋭い意見」や「俺様の高い問題意識」を披露しているつもりかもしれません。しかし、何の引っかかりもなく「今の~」を使っている時点で、凡庸で何の中身もない自己満足な意見の押し付けに過ぎないことが証明されています。