【昭和が香る不適切編】

「昭和な感覚」と不適切は、極めて親和性が高いと言えます。口にした覚えがある人も多いのではないでしょうか。どこが問題なのか、あらためて考えてみましょう。

フレーズ1「たまには飲みニケーションといこうじゃないか」

〈不適切ポイント〉若い部下たちと距離を縮めたいと思って、こう提案しました。もちろん、おごりのつもりです。しかし、部下はまず間違いなく「うわ、面倒臭いこと言い出したぞ」としか思わないでしょう。「一緒にお酒を飲めば親睦が深まる」というのは、昭和世代だけが持っている幻想です。若い部下にとっては苦行の強制でしかありません。しかも「飲みニケーション」というカビの生えた言葉を平気で使う上司と飲んでも、話が弾む可能性はゼロです。

大勢のビジネスマンと対峙する一人のビジネスマン
写真=iStock.com/takasuu
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フレーズ2「気が利くね。○○ちゃんと結婚する人は幸せだな」

〈不適切ポイント〉女性部下(独身)が、会議の資料を完璧に揃えてくれました。ホメるつもりでこう言っても、喜んではもらえないどころか、「この上司、ダメだ」と見切りを付けられるでしょう。発言の根底には「結婚して旦那に尽くすことが女性の目標であり喜び」という昭和の価値観が強固に横たわっています。令和を生きる若い女性にとって、それを押しつけられるのは苦痛以外の何ものでもありません。「いいお嫁さんになれるよ」は、さらに危険です。

フレーズ3「下請け業者に甘い顔したら、ナメられるだけだぞ」

〈不適切ポイント〉昭和と言わず平成になってからも、発注する側としては、この心得は上司が部下に伝えておくべき「大事な教え」でした。しかし、令和になった今、ここまで露骨に下請け業者との“上下関係”を強調したり、優越的地位にある特権を振り回す気満々な姿勢を示したりしたら、間違いなく若手にドン引きされるでしょう。まあ、うわべの接し方は気を付けてくれていても、元受けと下請けは、ぜんぜん「対等なパートナー」ではありませんけど。