「自分は何者でもない」と思うから委縮する
会社の役職も同じです。新入社員はまず仕事を覚え、先輩の手伝いをするのが大事な役割です。上司も、役員も、社長も、それぞれの役割を果たしています。それによって会社全体が動いていくのです。
そういう意味では、社長から新入社員まですべての人が対等で、同じ目的に向かっているチームなのです。私はこの話を聞いてから、格上の人に対して雲の上の人という意識が消えて、話しやすくなりました。
交流会やパーティで格上のいわゆる「すごい人」に会って緊張する時も、自分のキャラ設定を忘れている時です。つまり「何者でもない」という自己認識なので、相手に萎縮してしまうのです。しかし、そんなはずはありません。誰しも、自分の持ち場で世の中に貢献しているはずです。
大きな会社を経営する役割の人もいるし、周りの人のサポートをする役割の人もいる。地域に貢献する役割の人もいます。それぞれが、それぞれの役割を持っています。比較してどちらがすごいということではなく、どの役割も大切なのです。
「被害者」は最悪のキャラ設定
そんなことを言われても、やはり他人と比べて「自分なんて大したことがない」「自分は何者でもない」「もっと大きな役割じゃなければダメだ」と思う人もいるかもしれません。そんなふうに感じる時は、「自分の友達だったら?」と考えてみてください。地味だけれど大変な仕事をしていたり、親の介護をやっていたりする友達には、「頑張っているよね」と声をかけてあげたくなると思います。きっと、その友達が果たしている役割が大したことない、なんて思わないはずです。
だから、自分に対しても、同じように考えてみてください。自分の担っている役割を認めて、「頑張っているね」「大事な仕事をしているね」と自分自身に言ってあげてください。
自分に言いにくいのであれば、私があなたに言います。あなたは重要な仕事をしています! あなたがいるから世界は成り立っています!
自分のキャラを意識して認識しないと、人は勝手にネガティブな発想をしてしまいます。その中でも最悪なのが、自分は「被害者」というキャラ設定です。なんだかいつも居心地が悪かったり、人間関係がうまくいかなかったりする人は、勝手に「被害者」になっている可能性が高いので注意してください。
例えば、交流会やパーティやセミナーなど知らないところへ行って、「場違いなところに来た……失敗した!」と落胆する。レストランや洋服屋さんなどのお店に行った時も、「ぞんざいに扱われている!」とイライラする。何度転職しても、「自分は搾取されている!」と思ってしまう。何かにつけて、「だまされた、詐欺だ!」という言葉を使ってしまう。これが、被害者キャラです。こうなってしまうと、居心地が悪いし、気分も悪いし、悲しい、そんな気持ちのループにはまってしまいます。