学校や塾の先生も「自分の子どもの勉強」はプロに見てもらう

デメリット1 塾とは違う教え方になる

教えるための準備が不足していると、子どもは「塾の先生が言っていたことと違う」と混乱してしまいます。「これは当然こう教えるだろう」と自信がある問題でも、今はもう別の方法で解くことが主流になっていたり、講師によって全然違う教え方をしていたりするものです。そもそも、事実や名称が、親が子どもの頃に教わったものと、今では異なっていることが多いです。

いろいろな解き方や物事を知ったうえで、自分にベストな解き方や知識を選べる子ならいいですが、「船頭多くして船山に登る」ということわざの通り、あまり多くの解き方で説明されると、混乱してしまう子が多いのが実情です。

デメリット2 感情的になってしまう

子どもは、間違ったりわからない問題が多くなってきたりすると、やる気が下がっていきます。ふてくされたり、悪態をついたりすることもあるでしょう。

せっかく教えているのに思うような反応が返ってこないと、親のほうもだんだん怒りたくなってきます。わが子を大事に思い期待しているからこそ、「なんでこんなこともわからないの!」と腹が立ってくるのです。

子どもも、親にダメなところを見られたくなくて、できない姿を隠そうとします。そのせいで、親が一生懸命になって説明すればするほど、「もうわかったよ!」と反発しがちです。そして互いにストレスを感じて、親は「もう子どもに教えたくない!」、子どもも「もう親から教わりたくない!」となってしまうのです。

身内に教えるのは、なかなかうまくいかないものです。学校の先生や塾の講師が、自分の子どもの勉強は第三者のプロに見てもらうことが多いのは、こうした難しい面があるからです。

教室で先生とハイタッチする男の子
写真=iStock.com/paulaphoto
※写真はイメージです
デメリット3 夜更かしにつながる

親はキリの良いところまで進めたいので、「ここまでやろうよ!」とがんばらせますが、子どもの体力と気力にも限界があります。遅い時間帯になると、眠くなって集中力が落ちてきます。

そうなると、かけた時間のわりに成果が出にくくなりますし、睡眠不足から健康や翌日の活動への悪影響が出てしまうおそれもあります。

親が教えるときは4つのポイントを押さえる

このように、親が教えると、子どもの学習効果が下がってしまう可能性があります。とはいえ、やはりわが子の勉強に関わりたいという方も多いはずです。

では、親が子に教えるには、どうすればいいのでしょうか。4つのポイントをお伝えします。

ポイント1 復習を中心に、塾の教材を使う

予習や先取り学習はしないで、塾のテキストなどを使って、すでに習った範囲に絞って復習をしましょう。塾のテキストで復習すれば、塾の講師が教えたことから、そう大きく外れることはありません。

また、「教える」よりも、計算や漢字の読み書きなど、基礎的な学習を子どもがするのを「見守る」ことを優先するほうがうまくいきやすいです。

ポイント2 時間を短く区切り、メリハリをつける

親と一緒だと気持ちもゆるむため、子どもの集中は長くは続きません。短時間での集中とリラックスをワンセットにして、メリハリをつけて勉強しましょう。

キッチンタイマーを使って、「25分勉強したら5分休憩」というように時間を区切る、ポモドーロテクニックという集中法を使うのもおすすめです。