教える極意は「できるだけ教えないこと」
ポイント3 子どもに考えさせ、説明させる
私は、教える極意は「できるだけ教えないこと」だと思っています。親は一から十まで全部説明するのではなく、問いかけて子どもに考えさせ、説明させましょう。
考える材料を示して子どもに考えさせて、わからないようであればヒントを出して、子ども自身が気づけるように辛抱強くサポートしましょう。
教えるというのは、知識や話術よりも、忍耐力が最も大事だと私は考えています。
ポイント4 プロセスを重視し、少しの成長でも認める
家庭学習で大切にしたいのは、○か×かという結果ではなく、勉強のプロセスです。計算の途中式や筆算の書き方、漢字の書き順やトメ・ハネなどをチェックして、たとえ不正解でも、「ここがさっきより上達したなぁ」と、成長を認めて小さな成功体験を積み重ねていきましょう。
教える側に立つと、つい相手のできないところばかりが目につくものですが、それを指摘するのはガマンしましょう。成長しているところは必ずあります。ささいな成長でもいいので、探して認め、感心を示しましょう。
「もう無理だ」と思ったらプロに任せたほうがいい
子どもに勉強を教えるとなると、「うまく教えなくては」と力が入りすぎる親御さんがいます。でも、自転車や車を運転するとき、ハンドルを力一杯握りしめるよりも、ちょっと遊びがあるくらいにゆるく握るほうがスムーズな運転ができますよね。子どもに勉強を教えるのも同じです。
うまく教えようと気合いを入れるよりも、できたうれしさを子どもに感じさせて、親子で喜びを分かち合うことを大切にしてほしいと思います。肩の力を抜いて、「子どもと並んで一緒に勉強する」くらいの気持ちで臨むといいでしょう。
そして、「自分には教えるのはもう無理だ」と思ったら、第三者のプロに任せましょう。勉強面はプロに任せて、親は生活面と精神面のサポートに徹したほうが、うまくいくことが多いです。
■ 親が教えると、時間の融通が利くことや、子どもの現状把握ができることがメリット。
■ 塾と違う教え方になって混乱させてしまったり、つい感情的になったり、夜更かしさせてしまったりする可能性があるのがデメリット。
■ 勉強面のサポートは親ががんばりすぎず、無理だと感じたらプロに任せる。