※本稿は、高田明和『88歳医師の読むだけで気持ちがスッと軽くなる本 “年”を忘れるほど幸せな生き方』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
猫のようにリラックスし、犬のように遊ぶ
「Relax like a cat.(猫のようにリラックスしなさい)」
「Play like a dog.(犬のように遊びなさい)」
これらは、欧米でよく使われる言い回しです。
私がアメリカにいたとき、周りの人は「あまり根を詰めて仕事をするなよ。アメリカには昔から“猫のようにリラックスし、犬のように遊べ”という言葉もあるぞ」と教えてくれました。ただ、「Play like a dog.」には、「獲物を狙う」という意味もあるので、「よく働け」という解釈にもなります。
いずれにしても、猫がくつろいでいるときは、本当に自由気ままにのんびりしているようですし、犬が遊んだり獲物を追ったりするときは、無我夢中でとても楽しそうです。どちらの状態もストレスフルには見えないし、それは犬や猫が年をとっても変わらないことでしょう。
猫も犬も好奇心の塊であり、今この瞬間だけを生きています。猫が昨日自分がしたことを悔やんでいるようには見えませんし、犬が明日のことを心配しているようにも思えません。
猫や犬を飼っている人は、飼っていない人に比べて、より健康で、より寿命が長くなることが、研究によって明らかになっています。一例として、2017年にスウェーデンのウプサラ大学が発表した、「犬を飼っていると心臓病のリスクが減る」という調査結果があります。
確かに犬を飼っていれば、ほぼ毎日、彼らを連れて散歩をするので、適度な運動量が保たれることは大きな要因でしょう。それに散歩中には、同じく犬を連れた人々に出会って会話する機会も増え、孤独感が癒やされる面もあります。人は孤独感を抱くと、死亡率が高まるという研究データがあります。
もちろん、ペットそのものにも、孤独を癒やす力があるでしょう。けれども、寿命が長くなる理由は、それだけではないと私は思うのです。ペットたちの無邪気な行動を目にすることで、彼らから「遊び心」を日々学んでいけることが大きいと思うのです。
「遊び心」は、確実に私たちの「健康寿命」、つまり、心身ともに自立して介護を必要とせずに健康的に生活できる期間を長く延ばしてくれます。
そのことに気づいていたのが、女優のヘレン・ヘイズです。