「答えになっていない答弁」ばかりを続ける川勝知事
川勝知事は「わたしの発言は、JR東海との対話を進めるために、意思決定者である丹羽(俊介)社長に強いリーダーシップを持って取り組んでほしいという思いを述べた」などと回答をはぐらかしたため、再質問が行われた。
これに対して、川勝知事は「現在、甲府駅と橋本駅(神奈川県)は72キロあるが、43キロの実験線ができているから、甲府駅まで6キロ、残りの二十数キロを神奈川県まで延ばせば、実験線が実用線になる。これでどうですか」と「部分開業」を示唆した。
静岡工区着工への解決策を問われているのだから、まるで答えになっていない。
それで再々質問が行われたが、やはり川勝知事はあいまいな発言で逃げてしまった。
このため、議会運営委員会で協議を行い、県議会としてあらためて川勝知事の答弁を求めた。
異例の4度目の答弁に立った川勝知事は「現行ルートを前提にした上で、できるところから、つまり開通できる状況になった区間から開通させることが解決策となる。わたしは実験線の延伸、完成が1つの例示となると申し上げた。これは社長にしかできない」と、「部分開業」を解決策だとしてしまった。
もともとの定例会見での記者の質問は「知事の任期中に、静岡工区の問題を解決する道筋を立てるのか、それとも不可能か」だった。
つまり、静岡工区着工への解決策はあるのかを聞いていた。その解決策が、静岡県とは何ら関係のない他県の「部分開業」となってしまった。
リニアの嘘を嘘で塗り固めていく
2019年7月にも、今回の「解決策」と同様に、「リニア開業と南アルプス保全を両立する腹案がある」と川勝知事が発言していることを1月22日公開の「川勝知事の『リニアのウソ』に私もまんまと騙された…静岡県民から『知事への不満』がなぜか聞こえないワケ」で紹介した。
約4年前の「腹案」の場合、静岡県に関係する「南アルプス保全」を明確に主張していた。
記者たちは、定例会見で「腹案とは何か」を追及したが、川勝知事はあいまいにごまかして逃げてしまった。
ただ今回は、県議会での厳しい追及に遭い、ごまかすわけにはいかなかった。川勝知事は得意の「嘘」で何とか逃げるしかなかった。
その後、川勝知事は「嘘」をさらに「嘘」で塗り固めていく。