多くの学校で出題のテーマに

このような「大人表現」を言語知識問題として出題する学校はかなりある。

パッと思いつくだけでも、灘、聖光学院、慶應義塾中等部、慶應義塾湘南藤沢、早稲田実業、吉祥女子、攻玉社、普連土学園、共立女子、昭和女子大学附属昭和などが挙げられる。

マスに1文字目を書こうとしてる子供の手元
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「大人表現」という表記をしたものの、上の選択肢を眺めると、大人であっても日常的にはあまり用いないことばではないだろうか。小学生であればなおさらである。中学入試ではかなり高い語彙ごいレベルが問われていることがよく分かる。

1月10日の栄東のA日程入試。この日だけで6000名近い受験生たちが挑んだ。そして、中学入試の日程上、この栄東が「初戦」となる受験生が大半だったと考えられる。初めての入試でドキドキしている1教科目の国語で突如こういう問題に出くわして、さらにその緊張感が高まった受験生たちがたくさんいたことだろう。それもそのはず。たとえ大人がこの問題に挑んだとしても、すぐに全問正解できる人はなかなかいないのではないか。そういうレベルである。

前後の文脈から空欄の中身を推測する

さて、わたしはこの手の問題の対処法のひとつとして、前後のコンテクスト(文脈)から空欄に入ることばの意味を「推測」することが大切であると指導している。

例えば、( 1 )は、本心を「どのように」打ち明けたのかを考えることになる。「打ち明ける」という思い切った表現からすると、( 1 )には「率直に」や「単刀直入に」などに近い表現が来ると推測できる。正解は「せきらら」である。勘の良い受験生は「赤裸々」という漢字をすぐに思い浮かべられただろう。