サプリメントには強い成分は使えない
薬は、病気の治療や予防に効果があるものですが、サプリメントは食品であり、病気の治療や予防効果はありません。
食品であるサプリメントには、強い成分は使えないようになっていますから、薬のような効果を期待することはできません。
また、一部の病気を除いて、成分を補充することで体の状態がよくなることは、今の医学ではほとんど解明されていないため、効果があるかどうかは疑問がのこります。
「都合の良いデータ」を作っている
さらに、サプリメントの情報についても考えてみましょう。
サプリメントの情報は、商品開発しているメーカーが実験したデータをもとにしています。先ほど、表でお伝えした「特定保健用食品(いわゆるトクホ)」、「特別用途食品」「栄養機能食品」以外の大部分のサプリメントは国の審査を通ったデータではありません。
その情報がインターネット、YouTuber、テレビなどを通じて発信されています。
伝え方を工夫したり、有名人をうまく使ったり、都合の良い体験談を抜き出したりしたもので、身体に有効であるのか、否かのデータから離れていることも多いように思います。
科学的な論文でも、ある程度都合の良いデータを作ることもできます。もちろん、まじめにやっているメーカーが多いとは思いますが、どのメーカーがそうなのか、薬剤師であっても、判断するのは簡単ではありません。
サプリメントを使っていることで体の調子がよくなる人がいるのも事実ですから、私も勉強し続けなければならない分野だと思っています。
ただ、本当に効くのか? と思うようなサプリメントも売られています。
サプリメントと薬の飲み合わせで問題が出てしまうこともありますので、病院や薬局では、必ず医師や薬剤師にお伝えください。
サプリメントでの注意や話題の健康食品を説明している一般の方向けのホームページもありますので、気になる方はこちらもご覧ください。
まだまだ、解明されていないことの多いサプリメント。良い働きを示すかもしれませんが、逆かもしれません。少なくとも皆さんは問題に巻き込まれないようにされてください。