便の色からはさまざまな病気のリスクがわかる。薬剤師の鈴木素邦さんは「肝炎や肝不全を起こすと、肝臓で胆汁が作られなくなり、白い便やレモン色の便になってしまう。そんな便が出たら、すぐに医師の診察を受けたほうがいい」という――。
※本稿は、鈴木素邦『その一錠があなたの寿命を縮める 薬の裏側』(総合法令出版)の一部を再編集したものです。
「3日以上出ない」なら便秘
便秘とは、便を十分かつ、快適に出し切れない状態のことを言います。
排便回数が少ないだけで便秘と思う方が多くいますが、実はそれだけで便秘と判断することはできません。
自分が便秘状態にあるかどうかを判断する基準としては、3日以上出なかったり、便の硬い状態が続いたりして、心地よい排便ができない時に便秘と考えます。
高齢者の方が便秘の症状になる理由は、腸管の筋力が低下したり、食事の量自体が減少したりとさまざまです。便通回数が少なくても、無理に治療しなくて良い場合もありますので、ケースバイケースで考えましょう。
ただし、
・発熱や嘔吐・腹痛症状も起こっている(イレウスの可能性があり危険)
・細い便・血便が出る(腸管から出血がおこっている可能性がある)
・下痢と便秘を繰り返す(過敏性腸症候群の可能性がある)
・刺激性の下剤を頻繁に使っている(刺激性の下剤は短期的使用が原則)
といった場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
便秘対策の「最強の味方」
食生活の改善で、大幅に便通改善が見込めることがわかっています。
毎日工夫を続けることで改善されている方が多いので、便秘になったら、まず食生活の改善に取り組んでいただきたいと思います。
食物繊維は、腸管の機能を高め、蠕動運動を促し、便を排泄する役割を果たす、便秘対策の最強の味方です。
食物繊維の量が増えると、排便効果が高まりますので、できるだけ多く取れる食生活へと変えていくことが大切です。