“ずぼら”な僕が中高年から欠かさず日課にしていたこと

ぼくはもともと“ずぼら”なほうで、早起きや規則正しい生活は苦手でした。

できれば規則正しい生活を心がけたいのですが、なかなかうまくいきません。

仕事での移動も多かったですし、必ず決まった時間に起きるということが難しい。

読書が好きで、気がついたら夜中まで読んでいたり、朝まで書き物をしたりすることもよくありました。

それでも中高年になってからは、「運動」だけは欠かさず、日課にしてきました。

朝起きて、軽く体を動かし、朝食をすませたらひと休み。それから時間があるときは、家から近い山に登って――という感じです。膝や腰に負担をかけないよう、あまり走ることはせず、運動するならやはり軽い山登りやハイキング。これが一番です。

夜は早寝です。とくにこのごろは夜8時になると眠くなってくるので、夜中に目を覚ましてもいいから、眠くなったら寝てしまいます。

で、夜中にふっと目を覚ますと、「あ、まだ11時だ」ってことで、しばらくテレビなんかを観ていると、またすぐに眠くなる。そんなことの繰り返しです。テレビ番組は、歴史やドキュメンタリーなどでおもしろい番組があると、やはり夢中になって観てしまいますね。

歴史や文化など、日本の大事な要素を映像で詳しく、わかりやすく紹介してくれる。ぼくにとって、すごくためになります。それはNHKの番組に限らず、民放の番組でもです。とはいっても、最近のテレビ番組はくだらないお笑い番組も多いんですけどね。

歳を重ねたら「ルーティン」に縛られすぎるな

コロナ禍前までは、講演のために全国各地へ旅することも、ある意味、ぼくにとっては大事な「ルーティン」でした。

移動の新幹線の中では、たいてい読書。目が疲れたら車窓からの景色を眺めたり、うとうと眠ったり。

三浦雄一郎『90歳、それでもぼくは挑戦する。』(三笠書房)
三浦雄一郎『90歳、それでもぼくは挑戦する。』(三笠書房)

海外に行く国際線の中では、できるだけ寝るようにしてきました。時差の問題もありますし、向こうに着いてからの行動に支障が出ないことが重要です。

たいてい食事をして、ワインを一杯飲んだら、あとは眠れるだけ眠る。ぼくは飛行機の中でも比較的よく眠れるほうです。機内の映画はそれほど観ません。一度、映画を観たらおもしろすぎて、つい寝損なってしまって、現地に着いて難儀したことがありましたから。

出張先では早起きして、朝食の前に街を散歩するのが常です。たとえば、熊本に行ったら、朝起きて広い熊本城の中を歩き回る。それが楽しみでした。

どこの街でも、どんな村でも、すばらしいところは多くあるので、講演の合間に自ら歩き回って旅先のよさに触れてきました。招待されることも多く、ありがたいことに、おいしいものもずいぶんご馳走になりました。

……と、とりとめのない、コロナ禍前までのぼくの日常のことを書きましたが、このように、ぼくは非常に気ままに、ありのままに生活をしていた感じです。

歳を重ねたら、とくにプライベートの時間においては、あまり「ルーティン」というものに縛られすぎないほうがいいと、ぼくは思います。時間にも心にも余裕をもって自由に暮らしたいものです。

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