三浦家秘伝のスペシャルドリンクを教えます

20歳を過ぎると、一年に一%ずつ、筋力が落ちるといわれています。そうなると、70歳で何もトレーニングしていなければ、若いころの半分くらいの筋力になってしまうわけです。

ぼくの父は90歳を過ぎても山岳スキーを続けていましたが、ある段階から体力の衰えを感じていたといいます。

「ああ、歳だな」と思って諦めかけていたようですが、あるとき、食事や食べ方に問題があったんじゃないか、と気がついたのです。

それまでは、朝ごはんは納豆、魚、玄米。これを最低50回から100回くらい噛む、なんてことをやっていました。昼はあまり食欲もないから、サツマイモをゆでてひと切れくらい。これをずっとやっていたら、山に登る体力がなくなってきたといいます。

そこで父が考えたのが「スペシャルドリンク」です。牛乳とヨーグルトを大きなグラスに一杯ずつ。

それにゴマの粉と、きな粉をカップ一杯くらい。味つけにハチミツと黒砂糖。さらに……ぼくは面倒なのでやっていないのですが、父は卵を酢に一カ月くらい殻ごと漬けてブヨブヨになったものを加えます。

これを、朝食のあとに、大きなグラスで一杯。残りは冷蔵庫に入れておいて、昼にサツマイモを食べたあとに飲むのです。

父のこのスペシャルドリンクは、高齢者に不足しがちなたんぱく質やミネラル、植物脂肪、カルシウム、乳酸菌を補ったのです。そんな食生活を続けていたら、だんだん体力がついてきて、山に登っても元気になりました。

若大将が朝食にステーキ300gを食べる理由

ぼくは旅行や外出が多いものですから、朝食はできるだけ自分の家で食べるようにしています。基本的には納豆、ヨーグルト、キムチ、できればステーキ。

以前、加山雄三さんと対談したときに、朝食の話になりました。彼のことは学生時代からよく知っていて、よく札幌でスキーを一緒にしていました。

その加山さんは、いまでも朝食にステーキ300gを食べているといいます。若大将の元気の素はそこにあるのかな、と。

ステーキをカットするイメージ
写真=iStock.com/Mariia Sibatrova
※写真はイメージです

ぼくもいまでも肉が大好きですが、「三浦君、歳を取ったんだから、いいかげんに、肉は控えて、野菜と魚を中心にした食生活にしたほうがいいよ」と友人たちは忠告してくれます。でも、そういう彼らは、年々元気が薄れているように見えます。

まあ、これは好き好きですし、無理してステーキを食べる必要はありません。でも、高齢者は、たんぱく質をしっかり摂ることは心がけてほしいと思います。

そして、どうせ食べるなら、やはりおいしいもの、食べたいものを食べて、幸せになることが一番。その意味では食べ物は、体と心のパワーの源だと思います。