徹底的に叩かれ、そこから自分を磨いて立ち上がって本物

安藤氏はまたこうも言う。

リーダーは知力と生命力ですけれども、人はその生命力のほうについてくるわけでしょう。目標に向かっていく勢いみたいなものに、よし賭けてみようと思ってついていくわけです。

だけど、少し刺激を与えてそういう要素を足せば、いいリーダーになる可能性のある学生はたくさんいますよ。

ところがいまは親がね、30歳ぐらいの息子に、『あんたそんなに残業多いの。そんなところはもう辞めたらどう』と言うそうなんです。30にもなってそんなに簡単に辞めてどうしますか。

日本の社会がまずかったのは、フリーターがいいと言い過ぎたんですよ。だけど本当は10年間くらい徹底的に上から叩かれて、それでも一所懸命に自分を磨いて立ち上がってくるぐらいの生命力が必要です。そこから自分を考えていかなければいけないんじゃないでしょうか。

仕事とは「新しい自分」に出会う行為

本書『一生学べる仕事力大全』に登場する74人の方々は、一心不乱に働いて働いて、働く中から何かを摑み取った人たちである。自分自身の仕事を極限まで掘り抜き、その先に自らの運命を切り拓いていった人たちである。

広く暗い空間を手元のカンテラで照らす男性のシルエット
写真=iStock.com/francescoch
※写真はイメージです

巻頭言として、陶芸家・河井寛次郎氏の言葉を選んだ。

「新しい自分が見たいのだ――仕事する」

いかに時代が変わろうとも、またいかなる職業においても、人は自らの仕事を通じて新しい自分に出逢えることを、心のどこかで願っているのではないだろうか。そして誰しもが、一度はそのような経験をしたことがあるのではないだろうか。

74人のプロフェッショナルたちの生き方を通じて、仕事をすることの真の喜び、人生を生きることの真の喜びに目覚め、まだ見ぬ新しい自分と出逢うためのかてとしていただければ、これに勝る喜びはない。

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