書籍の時代は「終わった」のか?
「書籍の時代はもう終わったと思っていた。でもこの本を読んで、それは間違いだったと思った」
このほど、弊社より『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(藤尾秀昭 監修、致知出版社)を刊行したが、登場者の一人に見本書籍を送った後、こんな電話をいただいた。
本書は創刊42年の歴史を持つ定期購読の月刊誌『致知』のインタビューや弊社書籍の中から、人間力・仕事力が身につく記事を365篇選び抜き、1冊にまとめたものだ。1日1話、稲盛和夫氏、山中伸弥氏、井村雅代氏、羽生善治氏など、ジャンルを問わず、一道を極めた人物たちの心を熱くする話に触れられる構成だ。
全424ページ。三段組みで30万字超(通常書籍の約3倍)。定価2350円+税。A5判でそこそこ重い。持ち運びはしにくい。だが、そんな書籍がいま、飛ぶように売れている。
11月30日に刊行したところ、想像を超える注文が殺到して発売3週間で8刷、早くも7万部を突破した(12月21日現在)。国内有数の大型書店として知られる丸善・丸の内本店では、10日間で200冊近くが売れるなど、こうしたジャンルの書籍としては異例の売れ行きとなっている。
なぜ高くて分厚い本が売れるのだろう…
実際に本書を手にされた読者の方々からも、以下のような感想が続々と届いている。
「有名、無名を問わず、どの方の言葉からも、感動、共感、生きるヒント、挑戦への勇気、仕事術などをいただきました。赤線を引かないページはありませんでした。これほど内容の充実した書籍に出会ったことはありません」(55歳・男性)
「これだけの内容、ボリュームとしては安すぎで、その倍でも買っていたと思う。一話一話、読む前より期待感が高まり、その都度、読後は充実感と処世訓を得た満足感で一杯」(63歳・男性)
「今、毎晩寝る前に読んでいます。本当に心熱くなるお話ばかりなので、次の日も頑張ろうと思いながら寝ることができています」(27歳・男性)
「本が売れない」といわれて久しいこの時代に、なぜこのような本が飛ぶように売れているのか。驚きの体験をした、一書籍編集者の現場からの報告として聞いていただきたい。