全国の書店員の心も熱くした

並々ならぬ情熱と労力を注いで仕上げた本だ。ぜひ多くの人に手にしてほしい。そのために、販促にも力を込めた。

まず企画に込めた熱い思いを手書きの手紙に託し、主要書店約50店舗に送付。初の試みだったが、その思いに多くの書店が反応してくださり、全国の書店で多面展開が次々に決まっていった。中には注文書の中に、私宛ての御礼と熱いメッセージを添えてくださった書店員さんもいた。胸が熱くなった。

また、日頃から懇意にしている書店には、営業部員に同行し、直接訪問した。特に忘れられないのは、丸善・丸の内本店の篠田晃典店長。装幀の写真を見せるなり、「これはすごい!」と身を乗り出し、ゲラを丹念に読み込みながら「すごい、すごい」を連発。その場で200冊の先行販売を即決してくださった。

実際に丸善丸の内本店で平積みされた本
写真提供=致知出版社
「想い」が届いた丸善・丸の内本店での展開

熱をもって動けば、熱をもって応えてもらえる。そのことを実感した出来事だった。

書店の売れ筋は厚くて文字の詰まった本格作品

本書は書名のとおり、「読めば心が熱くなる」をコンセプトにしている。1日1ページ、1話を読めば、毎日心を熱くする感動体験があり、自分のモチベーションを高めてくれる話に出合える。

いま、ネット上にはありとあらゆる情報が溢れ、そこで提供されるコンテンツに人々は多くの時間を割いている。電車に乗っても読書をしている人の姿を目にすることはほぼなくなった。冒頭に紹介した言葉のとおり、「書籍の時代は終わった」と感じている人は決して少なくないだろう。

しかしそう感じる方は、ぜひ一度、書店に足を運んでみてほしい。本書だけでなく、店頭にはいま『独学大全』(ダイヤモンド社)、『FACTFULNESS』(日経BP)、『哲学と宗教全史』(ダイヤモンド社)など、300ページや400ページ、時に700ページを超えるほどの分厚く、びっしりと文字の詰まった書籍が売れ筋商品として、わんさか平積みされている。