たんぱく質を極端に減らしたらダメ
食べる量を減らしても、たんぱく質は減らさないことが大事です。これまで述べてきたように、中年太りを改善するには脂質を減らして、炭水化物(糖質)を食べすぎない程度に減らすのがよいのですが、たんぱく質を極端に減らしてはいけません。
たんぱく質は、筋肉をはじめ、ヒトの体をつくる材料です。そのため、たんぱく質の摂取量が少なくなると、筋肉が崩壊していきます。ですから、必要なたんぱく質はちゃんと摂らないといけないのです。
1日に必要なたんぱく質摂取量は、体重1㎏に対して1gとされていますが、これは最低限の摂取量です。
最近、プロテインのサプリメントがブームになっています。プロテインとはたんぱく質のことで、スポーツをしていて筋肉量を増やしたい人に人気のようです。
また、最近は65歳以上の高齢者も、筋肉量を減らさないために、たんぱく質を積極的に摂ることがすすめられています。
これは65歳以上になると、筋肉の合成能力が弱くなるとともに、筋肉が分解しやすくなるからです。ですから、高齢者は若い人よりもたんぱく質を多めに摂らないと、筋肉が崩壊していく危険性があるとされています。
ただ、トレーニングをしている人は別ですが、30代や40代では、たんぱく質を過剰に増やす必要はありません。
若い人はプロテインを無理に飲む必要はない
逆に、若い人がたんぱく質を摂りすぎると、がんなどで死亡するリスクが高くなってしまうという指摘もあります。
これはアメリカの研究で明らかになっていますが、たんぱく質の過剰摂取によって、がんのリスクが逆転するのが65歳ぐらいなのです。
ただそれをいってしまうと、筋肉などの維持に必要な最低限のたんぱく質摂取量を割り込んでしまう人がいるかもしれません。
普通に食べているなら、それほど心配はいりませんが、普段からお肉や魚、乳製品、大豆製品などをしっかり食べている人が、さらにプロテインを飲む必要はないでしょう。
なお、65歳以上の人のたんぱく質の摂り方については、本書(『科学がつきとめた 中年太りのすごい解消法』)の第5章で詳しく述べていますので、そちらを参考にしてください。