「自分が2割、相手が8割」が理想
さらには、相槌には相手の話を促し、会話を広げる働きもあります。
「それからそれから」「で、どうなったんだ⁉」「続きを聴かせてもらえる?」などの能動的な反応が返ってくれば、話し手は確実に盛り上がり、もっといろいろなことを話したい気分になることは間違いありません。さらには、積極的な興味を持って聴いてくれている相手に対して親近感を抱くようになるのです。
特に、自分自身を「話し下手だ」と感じている方ほど、相槌を積極的に打つよう心がけるとよいでしょう。実際、会話全体を10とするなら、自分が話すのは相槌も含めて2割程度、相手に残りの8割の部分を話してもらうくらいのバランスが最適です。
仕事のことで喜んでいる部下には共感する
(2)相手の気持ちを受け止め、共感する
相槌、頷きといった基本的な反応が無意識的にできるようになったら、次のステップとして「相手の気持ちを受け止めて反応する」に進みましょう。
これは、「会話している相手が今どのような心境にあるのかを察し、相手が感じているであろう感情を自分なりの言葉で適切に表現することで、相手への共感を示す」というテクニックです。そのためには、「人の様々な感情」を表現するボキャブラリーを増やし、相手が抱いているであろう感情をあなた自身の言葉で言い換えて伝えると効果的です。
例1) 喜びへの共感
部下「先日アドバイスを頂いた業務改革プロジェクトの提案、プレゼンが無事通りました!」
NG「そうか、プロジェクトの準備はきちんとしている? 提案が通っただけで安心するなよ」
OK「それはよかった! これからの展開が楽しみだな! 次はプロジェクト自体がうまくいくように、自分もサポートするから、困ったことがあれば相談してくれ」
例2) 疲労感への共感
部下「クライアントの●●部長、いい人なんですけどお話が長いんですよね……」
NG「そうは言ってもクライアントだから、きちんと対応してくれよ?」
OK「確かに、こう言っちゃ悪いがあの長電話にはゲンナリするよな……。いつも負担をかけて悪いなぁ」