治る認知症もある
4大認知症とされる「アルツハイマー型認知症」、「血管性認知症(脳血管性認知症)」、「レビー小体型認知症」、「前頭側頭型認知症」は、まだ治すことができません。しかし、早期に適切な治療をすれば治る認知症もあります。3つの例を挙げます。
・外傷性脳損傷
交通事故などによる頭部への衝撃や激しい外傷によって、脳機能が低下し発症する「外傷性脳損傷」は、意識喪失やもの忘れ、見当識の喪失、身体マヒなどが現れますが、適切な治療を行えば、症状が軽減することもあります。
・慢性硬膜下血腫
脳の細い血管が切れ、脳を覆う3種類の膜(外側から硬膜、くも膜、軟膜)のうち、硬膜とくも膜の間に血液がたまり、脳が圧迫されると「慢性硬膜下血腫」が発症します。
転んで頭を打ったり、頭をぶつけたりしてケガをした後など、きっかけはさまざまです。早期に発見し、血の塊を取り除くと治る可能性があります。進行がゆっくりのため、気づかれにくいのが難点です。
・特発性正常圧水頭症
これは、脳の中にあって、脳を保護している液体である脳脊髄液が脳室に溜まりすぎて、脳を圧迫することで起こります。
認知症の症状以外に、尿失禁や歩行障害もよく見られます。早期に見つけ、脳脊髄液を抜く手術をすると、治る可能性があります。