食物繊維、たんぱく質、カルシウム…管理栄養士おすすめのおやつ選び

1日3食しっかり食べるのは非常に重要なことですが、栄養不足を補うためには、おやつを上手に活用するのもよいことです。

私たちが不足しがちな栄養素の代表といえば、食物繊維、たんぱく質、カルシウムです。それぞれを補給できるおすすめのおやつを、ここでご紹介しておきましょう。

まず食物繊維です。理想的な目標量は、成人では24g/日以上と考えられています。

たとえば、つぶあんのお汁粉の場合、1食分で食物繊維は6.5gにもなります。

お茶碗1杯分のごはんに含まれる食物繊維はわずか1.8gですから、その差は歴然ですね。同様に、つぶあんが入ったもなか、草餅、どら焼きなどもよいと思います。

どら焼きと緑茶
写真=iStock.com/kaorinne
※写真はイメージです

また、ミルクチョコレートも1食分40gで1.6gとれ、おやつの中では高い方なのでこちらもおすすめです。

たんぱく質の場合、1日の推奨量は、15~64歳の男性は65g、65歳以上の男性で60g、18歳以上の女性で50gです。

こちらは、なんといっても肉が入っている中華まんじゅうがおすすめです。1食分でたんぱく質が10gとれます。また、原料にチーズや卵を使ったベイクドチーズケーキが7.7g、カスタードプリンは6.2gのたんぱく質が補給できます。

カルシウムの1日の推奨量は、30歳以上の男性750mg、女性650mg、75歳以上の男性700mg、女性600mgです。

カルシウム補給におすすめなのが、ホワイトチョコレートです。1食分40gで100mgとれます。そのほか、カスタードプリンが89mg、ババロアは94mg、アイスクリーム(普通脂肪)は245mgとたっぷりとれます。

ただし、アイスクリームはカロリーも高いので、注意しましょう。

おやつといえば太るもの、食べてはいけないものと思われがちですが、この通り、立派な栄養補給源にもなります。上手に活用して、栄養不足防止に役立ててください。

食事作りが面倒でも、栄養不足にならない手抜きアイデア

60歳を過ぎると、さまざまな家庭の事情によって、一人暮らしになる方は決して少なくありません。

そこで問題になってくるのが、食事の準備です。特に、それまで料理をしてこなかった方が一人暮らしになると、いきなり栄養不足に陥ってしまうことがあるのです。

また、もともと料理をしていた方でも、年をとってくると何かと面倒になってくるし、自分のぶんだけだと思うと、作る気力も低下してしまうようです。

でも、理想を言えば、料理は自分のためにしっかり自分で行うべきです。いつも外食やデリバリー、テイクアウトに頼ってしまうのは、栄養面から見ても、認知症予防の観点からも、とてもおすすめできません。

では、料理がつい面倒になりがちな方のために、栄養不足を予防するポイントを3つ挙げておきましょう。

①缶詰を利用して、良質なたんぱく質を補給する。
②買い置きや作り置きを心がける。
③惣菜やレトルト食品を利用するときは、アレンジして薄味に仕上げる。

まず、缶詰は60歳以上の方が特に不足しがちなたんぱく質をしっかりとるための、もっとも手軽な方法のひとつです。

たとえば、さば缶、さけ缶、ツナ缶、コーン、豆類、コーンビーフ、ポークランチョンミートなどは、たんぱく質補給にもってこいです。缶詰はかなり日持ちするので、まとめて購入しておくと便利です。

缶詰ほど日持ちしませんが、近年人気のサラダチキンも、たんぱく質の補給にぴったりの食材です。ブロッコリーやきのこ類などと一緒に炒めたり、白ワインを加えて蒸し煮にアレンジすれば、それだけで立派な一品ができあがります。