EV化が遅れている今、半導体の成長が急務だ

必要な方策を経営と政策の面で考えると、わが国の半導体関連企業は、製造技術、ビジネスモデルの変容などに対応できる人材が必要になる。経営者が常に最新の情報を手に入れ、環境の変化に迅速に対応できる体制を構築するのである。

また、民間企業のリスクテイクをサポートする産業政策の強化も必要だ。過去30年程度の間、わが国の半導体産業の競争力が低下したのは、設備投資などの金額が大きいあまりリスクをとれなかったことが大きい。反対にTSMCやサムスン電子は政府の支援もあり、世界有数の半導体メーカーに成長した。

足許、世界の自動車産業界では、中国BYD、米テスラなどを中心にEVシフトが鮮明だ。わが国はEVの流れに遅れている。

経済の回復を支える産業として半導体関連企業の成長を目指すことは、中長期的なわが国経済の展開に大きく影響する。

加速する世界の半導体産業の構造変化に対応できないと、わが国が経済の実力向上を目指すことは難しくなる。

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