医者にナメられたら本当に命が危ない!

覚えていらっしゃる方も多いと思いますが、群馬大学病院で、2009年から2014年にかけて、一人の医師が18人の患者を腹腔鏡手術と開腹手術で死なせる(最終的には30人死なせていました)という医療事故を起こしました。

僕らの業界では、群馬大学病院は動物実験ばかりしている研究重視・臨床軽視で有名です。優秀な医師になるポテンシャルのある中高年の優秀な受験生を「研究ができない」という理由で面接で落とすようなひどい大学です。

ここからは僕の妄想ですが、群馬大学病院を受診すると、医師たちはこう考えるのではないでしょうか。

「おっ、この患者、群大に来たぜ。何にも調べていないな。大学病院というだけで信じるバカだぜ。じゃあ、あのヘタクソの練習台にしておけ。もし失敗したって、群大で手術したのにダメでした、ほかの病院ではなおさら助からなかったでしょう、とでも言えばこのバカ患者たちは、納得するよ」

手術室の外科用機器
写真=iStock.com/shapecharge
※写真はイメージです

現実に、少なくとも29人目までの患者さんは納得したわけです。

つまり初診時に、「無知で気の弱そうなこの患者なら、失敗しても訴えられないな」と値踏みされたら、難しい手術の練習台にされたり、やったこともない腹腔鏡手術の練習台にされかねない。医者にバカにされるのは本当に危険なことなんです。

決してしてはいけないことの一つが「お礼」です。事前にお礼を渡しておけばまじめにやってくれると思うかもしれませんが、逆です。500万円くらい積めばどうかわかりませんが、3万とか5万くらいのお礼では、「あ、こいつやっぱり医者を素直に信じるバカだな」と思われるだけです。

どうせお礼をするなら、病院を建て替えられるくらい巨額の寄付をすれば、真面目にやってくれるかもしれない。でも3万とか5万では逆効果でバカにされるだけです。

「失敗したら絶対に訴えてくる」と思わせられるか

じゃあ、医者にバカにされないためにはどうするか。医者は、失敗したら訴えられそうな患者を怖がります。

ドーンと資料を積み上げて、「いろいろ病院を比べてみたら、こうなっていますが、先生はどうお考えでしょう」とか、「この治療の副作用はどうなっていますか」「この病院の手術の死亡率はどれくらいですか」「どういう術式でやっていますか」みたいに質問攻めにするんです。そうして、「あ、くわしく調べているな。うるさそうだな」と医者に思わせる。

ちょっと前の時代なら、それは難しかったかもしれません。でも、インターネットの時代なら、自分が受ける手術について、たとえば腎臓癌、胆管癌、膵臓すいぞう癌、あるいは心臓バイパス手術でも、ネットで調べれば、どんなことをするのかだいたいわかる。

みっちり調べていって、一つ一つ答えられるかどうか試してみたら、医者は「これは大変だ。失敗したら絶対に訴えてくるぞ」と震え上がります。

ついでに、「顧問弁護士にも確認したんですが、この程度の手術で失敗したら医療ミスということになりますよね」とか言って、脅してやればいいんですよ。