最善の治療を受けたいなら、患者も勉強する必要がある

医者に嫌われるんじゃないか、なんて思っちゃいけません。医者になめられたら助かる命も助からないんです。

たとえば、コレステロール値が高かったら、医者はたいがい「じゃあ薬を出しましょう」と言います。そんな時、「あなた、コレステロールが高いほうが長生きするのを知っていて薬を出すんですか」ってやり返したら、医者はビビって、「そんなのは和田秀樹が言っているだけだ。動物実験の結果やアメリカの疫学調査の論文でも証明されている」なんてワケのわからない言い訳をします。

和田秀樹『和田秀樹の老い方上手』(ワック)
和田秀樹『和田秀樹の老い方上手』(ワック)

アメリカ人にあてはまれば日本人にもあてはまるのか。アメリカで認可されている薬の治験ちけん(新薬を世に出すために効き目を試す試験)などの時は、「日本人には副作用があるかもしれない」と言いがかりをつけて、なかなか認可しようとしないのに、アメリカの疫学調査を無条件に日本にあてはめるなんて、そんなバカな話がありますか。

とにかく、医者にかかるときの最大のポイントはなめられないことです。

いいですか、嫌われようが何だろうが、医者は訴えられるのがいちばん怖いんだから、堂々と嫌われてください。うまくいったらお礼を払うのはいいと思います。

勤務医の人たちの給料は決して高くありませんから。だけど、最善の治療を受けようと思ったら、患者だって一生懸命勉強する必要があるんです。それを忘れないでください。

本稿では正しい医者の選び方・罹り方を述べましたが、本書にはこのほか健康、医者や病院との付き合い、老いを楽しむなど、面白くてためになる全32編が掲載されています。是非ご一読ください。

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