リスクは「0にはならないもの」と考えた方が良い
何か新しい一歩を踏み出そうとするとき、周囲は「リスクあるでしょ」「本当に大丈夫?」と簡単に口にして、ストップをかけてきます。自分自身でも、同様の言葉を自問自答してしまい、決断を先延ばしにすることもあるでしょう。
もちろん、何をやるにしても、やるからには成功を目指します。情報収集や学習をして、避けられるリスクは回避できるに越したことはありません。何でもかんでもリスクを取ったり、事前に調べておけば避けられる失敗に陥ったりするのは、「勇気がある」とは言えません。
しかし、リスクがまったくない選択は、そうそうあるものではありません。何か新しいことにチャレンジしようとすれば、失敗したり、悔しい思いや恥ずかしい思いをしたりするリスクは、0にはならないものと考えた方が良いでしょう。リスクについて考え、失敗したときのダメージを想定したうえで、「変えてみる勇気」を持つことこそが大切です。
人が何かを判断する場面では、「サイエンス」と「アート」という2種類の根拠があります。これは、仕事でも、自分の人生でも、同様です。
「サイエンス」と「アート」のどちらで判断するか
サイエンスというのは、データに基づく根拠です。「前例ではどうだったか」「過去の成功者は、何をどうやったか」「成功できる確率はどれくらいか」などについて調べ、データを集めて分析したうえで、自分がどうするかを考えます。サイエンスは、ある程度の客観的なデータに基づくことになり、信用できる根拠になりやすいものです。また、「同じようにやれば、次もまた同様の結果が期待できる」と考えられることで、重視されやすいものになっています。
一方、アートは、直感に基づく根拠です。「感覚的に、こっちを選びたい」「直感だけど、今やるべき」「自分は、このやり方にこだわりたい」など、人の直感を重視して、意思決定をします。このアートは、一見すると、あやふやで、いい加減なもののように思えるかもしれません。しかし、じつは、アートも重要な根拠になります。