気難しい相手の心を掴むにはどうすればいいか。コミュニケーション・アドバイザーの森優子さんは「銀座で評判のよいホステスは、気難しいお客様が弱音を吐いて意見を求めてきたとき、客観的な意見を述べ、さらりとカツを入れることが抜群にうまい。お客様を尊重して、損得勘定なく応援するホステスこそが、お客様から応援されて愛される」という――。

※本稿は、森優子『相手を立てるのがうまい人 仕事・人間関係がポジティブに変わる!』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

手にカクテルを持つ赤いドレスを着た女性
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リクルートの上司が部下との関係構築で使う言葉

相手を上手に立てられると、間違いなく人から愛されるようになります。

相手を立てられる人は、相手の年齢や立場に関係なく、自分の置かれた場所から相手を応援しているともいえます。

相手を応援することは、すなわち相手を尊重することにつながります。相手を尊重し、損得勘定なく応援する人が愛されないわけがありませんね。

人から愛されると自信がつきますね。すると、さらに人を立てることが上手になっていくという、ポジティブなサイクルが発生するのです。

私が所属していたリクルートの営業部は圧倒的に女性が多く、しかも部下よりも年下の上司が割合多くいました。

上司と部下で年齢の逆転があっても、双方ともやりにくさを感じさせない自然なコミュニケーションをとって、信頼関係で結ばれていることは一目瞭然でした。

しかしその背景には、お互いを「立て合う」心遣いがあったのです。

「もしかしたら間違っているかもしれないから、もう一度確認してもらえる?」
「もしかしたら締め切り時間、勘違いしていない?」

年上の部下に対して、年下の上司は仮定言葉を使ってミスを伝えていました。