国内の消費以上に生産して輸出すれば、その作物の食料自給率は100%を超える。上の場合、米の自給率は243%となる。構造改革を行い、兼業農家ではなく主業農家主体の農業となれば、二毛作による麦生産が復活する。減反廃止と二毛作復活により、全体の食料自給率は今の38%から70%を超える。

二毛作は気候変動対策にもなる

二毛作を行えば、農地を2倍に利用できるだけでなく、光合成による酸素の生産量は熱帯雨林に迫る。

そればかりではない。二毛作は、無酸素の湛水状態と酸化的な畑の状態を繰り返す。これによって、雑草の発生が激減する、土壌病害の発生が低下する、少ない窒素施肥量で収量を増加できる、畑状態にすることで土壌の団粒化などの物理性が改善される、などを実現できる。これは、米単作の場合よりも、肥料、農薬の投入量をさらに大きく減少させる。水田がさらに環境にやさしくなるばかりか、輸入途絶の危機に備えて海外への化学肥料等の依存を減少することができる。

まさにいいことずくめなのだ。

稲穂
写真=iStock.com/kool99
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食料を自由に輸入できるという前提では、国民はJA農協や農林水産省が行っていることに関心を払う必要がなかった。

しかし、シーレーンの途絶という事態が現実味を帯びてきている。食料が輸入できなくなって多くの国民が餓死してから農林水産省を責めても手遅れである。今の農林水産省はないほうがよい。というより国家のために有害である。国民は農林水産省を解体して自らの手に食料・農業政策を取り戻すべきだ。

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