ケース① 共働き&子どもの世帯は「所得金額調整控除」

まず1つめは、「所得金額調整控除」。この控除は、2020年分から導入されたこともあり、見落としている人も多いかもしれません。

所得金額調整控除の対象となるのは、①給与が年850万円超で、23歳未満の子どもなど扶養親族がいる人(※)、②公的年金や企業年金を受給しながら給与所得もある人です。②のケースは確定申告でのみ申告が可能ですので、ここでは割愛します。

①の場合の控除額は「(給与収入-850万円)×10%」で計算され、上限は15万円となっています。仮に所得税率が20%、住民税が10%とすると、所得税で3万円、住民税で1万5000円、計4万5000円の税負担減となります。

注意したいのは、要件を満たせば、両親ともにこの控除が使えるということ。夫婦どちらか一方しか使えない扶養控除のイメージもあり、どちらかしか申告していないケースもあるかもしれません。所得金額調整控除は、夫・妻どちらも使うことができますので、共働きの世帯は申告漏れのないよう注意してくださいね。

(※)「23歳未満の扶養親族がいる」の他に、「本人・同一生計の配偶者・扶養親族に特別障害者(身体障害手帳1・2級などの障害が重い人)がいる」場合も対象となります。

リビングでくつろぐ親子
写真=iStock.com/kazuma seki
※写真はイメージです

ケース② 転職期間中の社会保険料控除を忘れずに

続いて、年の途中で転職したケース。

転職の期間中に、会社員でない期間(第1号被保険者となった期間)が生じた場合は、自分で社会保険料を納めているはず。

この自分で納めた社会保険料も所得控除の対象です。年末調整で控除できますので、自分で支払った社会保険料を「給与所得者の保険料控除申告書」に記載して、転職後の会社に提出します。

会社員でない期間が生じなかった場合は、転職前の会社から発行された源泉徴収票を、転職後の会社に提出するだけでOKです。