「マイナスな状態から逃れたい」という考えを捨てる
すぐに謝るスタッフは、反省も少ない。以前「ホントスミマセン」と謝るクセのある若者がいて、「ホントスミマセン禁止令」を出したことがあります。「ホントスミマセン」という言葉のなかには、重さも、誠意もありません。「このマイナスな状態から早く『自分が』逃れたい」という利己的な感情だけがそこにあります。
失敗をして、恥ずかしい思いをして心から謝罪をする。この繰り返しが、学びになるのだと思います。
鈴木さんという師匠のもとで、あらゆる失敗を許してもらいました。
大きな失敗をして、ものすごく怒られた日のことも、いまだ痛みをもって思い出します。鈴木さんは、どんなに怒っても、翌日からはいつもどおり接してくれました。
ものすごく時間がかかるのですが、自分のやり方にこだわる若手に対しては、徹底的にそのスタイルを壊す必要がある。
「ホントスミマセン」を連発していたスタッフは、数多くの失敗を繰り返して、徐々に1本の作品を任せられるようになってきています。