オンラインカジノを巡る摘発が相次いだ
9月はオンラインカジノに関連する摘発が相次いだ。7日、千葉県警はオンラインカジノで遊ぶ姿を動画投稿サイトで配信していた自称YouTuberの男性を常習賭博の疑いで逮捕および送検したと発表した。当該YouTuberは、オンラインカジノの運営会社とプレー動画の配信契約を結んでいたとされ、配信報酬など合わせて総額3000万円余りの支払いを2019年より受けていた。男性は既に千葉簡裁に略式起訴されて罪が確定、罰金50万円を即日納付しているという。
それに引き続いて報道されたのが、オンラインカジノ利用者の大量書類送検と、決済代行業者の摘発であった。9月27日、警視庁保安課は海外オンラインカジノを利用した20~50代の男21人を単純賭博容疑で書類送検したと発表し、同時にそれら利用者と海外オンラインカジノ間の決済を仲介し、利用者が賭博をできるようにしたとして常習賭博ほう助の疑いで決済代行業者を摘発した。
当該決済代行業者には、全国約4万2000人のオンラインカジノ利用者の登録があったとされ、賭け金として少なくとも600億円の入金があり、その手数料として21億円余りを得ていたという。
政府は2013年時点で「賭博罪が適用」と明言
わが国において、海外オンラインカジノ利用の違法性が政府によって公式に言及されたのは2013年のことである。2013年10月、民主党(当時)の階猛衆議院議員は国会を通じて「賭博罪及び富くじ罪に関する質問主意書」を提出した。当該質問主意書は、海外で運営されるオンラインカジノ等を日本国内からネットを通じて利用した場合の刑法賭博罪および富くじ罪の適用に関する政府解釈を問うものであった。
この質問主意書の提出以前は、海外オンラインカジノ利用への刑法賭博罪適用に関しては、法曹および法学研究者の間でも「罪を問われる/問われない」の解釈が二分しており、公的な法解釈が示されていない「グレーゾーン」と呼ばれていた。
しかし、2013年の階猛議員による質問主意書への答弁として、政府は「犯罪の成否については、捜査機関が収集した証拠に基づいて個々に判断すべき事柄であること」と前置きしつつも、「一般論としては、賭博行為の一部が日本国内において行われた場合、刑法(明治40年法律第45号)第185条の賭博罪が成立することがある」との回答を行い、そこに国内法の適用がなされるという認識を示した。