61歳の女性は大卒後、一般企業に就職し、30代後半で結婚もしたが、3年後に離婚。職場での人間関係にも行き詰まり、メンタル不調により40代前半で退職。その後、外出もままならないひきこもり状態が10年間続き、その間に最愛の両親が他界。50代後半から再び働き始め、親の遺産もある女性だが、身元保証人のない境遇が不安でならない――。
ひきこもり期間中に両親を亡くした61歳独身女性の孤独
首都圏に住む吉田美穂さん(仮名・61歳)は、親が遺してくれた家で、ひとり暮らしをしている。40代半ばから50代半ばにかけて、うつ病に苦しみ、自宅に引きこもりがちの生活を送っていた。
心配しつつも、温かく見守ってくれていた両親は、ひきこもり期間中に立て続けにこの世を去ってしまった。最期まで、吉田さんの「今後の生活」を心配してくれた両親のために、人生の再出発を決意。現在はパートを掛け持ちして働いている。
親が家を遺してくれたおかげで、家賃負担はない。パート収入内で、赤字を出さずにやりくりはできているが、自分は天涯孤独の身であると感じている吉田さんは、入院や介護の不安にどのように対処したら良いのか悩み、著者に相談を持ちかけてきた。
[家族構成]
吉田美穂さん(仮名・61歳)
[収入と資産の状況]
月収:パートの掛け持ちで11万~13万円
年金(63歳から):月4万円程度
年金(65歳から):月10万円程度
資産:約1400万円(900万円は親の遺産、500万円は正社員だった時に貯めた貯金)
[家計の状況]
収入(手取り) 11万~13万円
支出
食費 2万5000円
光熱費 2万円
電話代 3000円
日用雑貨 8000円
趣味費 7000円
交通費 2000円
被服費 3000円
交際費 5000円
国民年金保険料 1万7000円(滞納期間があったため)
国民健康保険料 8000円
医療保険料 8000円
合計 10万6000円
別途、固定資産税が年に10万円弱必要