今の中国は何をどこまで求めているのか

日本にとって中国は永遠の隣国ではありますが、両国関係は必ずしも友好的、安定的ではありませんでした。特に、1972年の国交正常化以降の50年間は、当初こそ真の友好関係実現の可能性が期待されたものの、中国は21世紀に入り、より自己主張の強い対外姿勢を示し始めました。今の中国は何をどこまで求めているのでしょうか。アメリカとの衝突は不可避なのでしょうか。

いま一度原点に返って考えてみます。

悪魔のささやき

①中国経済は既に「メルトダウン」が始まっており、一つ舵取りを間違えば「バブル崩壊」や「長期不況」に陥る可能性が高まっている

②3期目に入った習近平国家主席は益々独裁体制を強化しつつあるが、今後経済成長が鈍化していけば、党内反対勢力の反発や一般国民の不満が拡大する可能性は高い

③対外政策では、近い将来、対米関係が好転する可能性は低く、ロシアなど他の反米諸国と連携を強化しながら、自由、民主主義など西側諸国が作り上げた既存の国際秩序への挑戦を続けるだろう

④2049年の建国100周年に向け、習近平は国内反対派や少数民族を締め付けつつ、いずれ「台湾統一」に向けた動きを加速化させ、自身の任期中に台湾の「武力統一」を決断する可能性が高い


天使のさえずり

①習近平の独裁体制は強固であり、この種の独裁体制が簡単に弱体化・崩壊する可能性は低い

②中国経済は今後徐々に衰えていくだろうが、突然の経済崩壊が起きることは近い将来考えにくい

③習近平体制は、対米レトリックこそ強硬だが、実態はかなり現実的な対応を試みている

④習近平の判断ミスや台湾独立宣言でもない限り、中国が台湾に対し武力行使に踏み切る可能性は高くない