20歳になってから始めたほうがいい
だから依存症の原因となるようなものは、なるべく脳の反応が衰えてから始めた方がよい。ゲームも砂糖もお酒も報酬系の賦活化という意味では同じだ。依存の観点だけで言えば20歳になってから始める方がたしなみ程度で済むだろう。
ゲーム依存のリスク要因として、「若年」「男性」「独身」「短い教育歴」「無職」「注意欠陥多動症(ADHD)」が関係することが明らかになってきている。
ADHDの場合、大きな強制力より、目前に迫る小さな強制力にとらわれてしまう傾向があるため、ゲーム依存になりやすいと考えられている。
ゲーム依存はADHDの重症度と関連する
ゲームの種類を通信性ロールプレイングゲーム、通信のないロールプレイングゲーム、サバイバル、カーレース、ホラーなど12種に分け、それぞれの依存の強さを検討したある研究では、ゲームの種類よりもむしろADHDの重症度と関連したと報告されている(※5)。
※5 Mathews CL et al. Video game addiction, ADHD symptomatology, and videogame reinforcement. Am J Drug Alcohol Abuse 2019;45:67-76.
インターネットゲーム障害は基本的には精神科で相談される事項であるので、患者さんは内科にはあまり来院しない。
脳神経内科では、頭痛や不眠があって学校に行けないという主訴で来院される10代の方の中に、ゲームやネット依存の方が含まれている例に出会う。
まだ子どもであるので、自分でゲームを購入したわけではない。そこで「なぜ、それが与えられたのか(始めたのか)」を考えてもらい、「抜け出せなければ何が起きるのか」を自分で考えてもらうことにしている。