うつと自殺率とは相関がない
さらにデータを補強するため、図表4には、少し年次は古いがISSPという国際意識調査における「うつ状態」割合と自殺率との相関図を掲げておいた。「うつ病・躁うつ病」という具体的な症例ではなく、意識上の「うつ状態」の割合であり、また対象国もOECD諸国とは限らないが、やはり、うつと自殺率とは相関がないことが確認できよう。
2011~12年というこのデータの時期、日本人の自殺率は今と比べてかなり高く、対象29カ国中3位だったが、うつ状態の割合は18位と半分より下であった。うつと自殺の相関だけでなく、日本の位置づけについても、図表2と同じ傾向を示していることは明らかであろう。