うつと自殺率とは相関がない

さらにデータを補強するため、図表4には、少し年次は古いがISSPという国際意識調査における「うつ状態」割合と自殺率との相関図を掲げておいた。「うつ病・躁うつ病」という具体的な症例ではなく、意識上の「うつ状態」の割合であり、また対象国もOECD諸国とは限らないが、やはり、うつと自殺率とは相関がないことが確認できよう。

【図表】うつ状態と自殺率との相関

2011~12年というこのデータの時期、日本人の自殺率は今と比べてかなり高く、対象29カ国中3位だったが、うつ状態の割合は18位と半分より下であった。うつと自殺の相関だけでなく、日本の位置づけについても、図表2と同じ傾向を示していることは明らかであろう。

【関連記事】
ピンピンコロリは「最悪な死に方」である…高齢者医療のプロが「PPKを目指してはいけない」と訴えるワケ
「10万人の胃腸を診た専門医が警鐘」日本人の約5割が毎朝食べている胃腸に最悪の"ある食べ物"
自覚症状はなく、血液診断では判定不能…人間ドックでなければ見つからない「脂肪肝」の恐ろしいリスク
酷暑にスポーツドリンクや経口補水液のガブ飲みは絶対NG…水分補給では飲むべきではない医学的理由
「お母さん、ヒグマが私を食べている!」と電話で実況…人を襲わない熊が19歳女性をむさぼり食った恐ろしい理由