デキる人・組織は「今のやり方をどう変えられるか」で時間を作る
優れたリーダーシップ、チームの生産性、すばらしい友人関係に必要なのは、時間を多くかけることではなく、時間を有効に使うことだ。
確かに時間は貴重で、限りある資源だ。何もないところから魔法のように時間を作り出そうと提案しているわけではない。わたしが提案したいのは、あなたの願いを実現するために時間をどう使うかを考える前に、現在のやり方をどう変えられるかを考えてほしいのだ。
次の二つについて考えてほしい。
一つ目は、自分の時間のなかで、集中力、活力、効率を高めるにはどうしたらいいか?
数年前、わたしは将来プロのバスケットボールチームでプレーしたいという夢を持つイギリスの子どもたちのために動画を撮った。熱心なだけの子どもを大勢見てきた――一生懸命練習し、効果的と言われる「方法」をいくつも試し、くたくたになって体育館を後にするが、上達しているとは言えない子どもたちだ。
そこでわたしがスポーツ界に進出したときだけでなく、スポーツ界から引退したあとも、わたしの前進を後押ししてくれたものについて話したい。それを「〈FEE〉をする」と呼んでいる。
地味で退屈なルーティンこそ重要
いかなる分野であれ、成功するには生まれながらの身体的、精神的、認知的な才能が必要だと想像しがちかもしれないが、トップレベルの人たちの話を聞くと――わたし自身の経験もあるが――そうした能力よりも、成功するために地味な練習に取り組み続ける能力の方が重要だと感じる。
計画に従って、何の刺激もなく退屈でおもしろみのないルーティンに耐える能力だ。身体的にも精神的にも負担がかかる面倒な練習に何時間も繰り返し熱心に取り組むうちに、やがてそれが結果につながり、いとも簡単そうにできるようになる。
〈FEE〉とは、集中力、努力、実行力の頭文字を取った言葉だ。
Focus(集中力):しっかり定義された明確かつ個別の目標または達成目標を定め、それに向かって、ゆらぐことなくひたむきに集中して前進し続けること。
Effort(努力):日常的なタスク、やっかいなタスク、目立たないタスクや準備にも、積極性と熱意を失うことなくしっかり取り組むよう規律を保つこと。
Execution(実行力):何をするにも不必要な無駄を省くことを意識し、すべてのことに努力して取り組むだけでなく、計画どおりに正確に実行すること。