その主張に客観的な数字や事実はあるか
②事実が脆弱
「主張はわかった。でも事実が弱い」、そんなケースもよくあります。先ほどのトゥールミンモデルの通り、「事実」とは主張を裏付ける客観的な数字や出来事のことで、よく「ファクト」と言われるものです。
最近よく「テレビの時代は終わった」という話を聞きませんか? YouTubeの到来でテレビを見る人が減ったからです。一見、正しそうに聞こえますが、テレビの再放送をいつでも視聴できるTVer(ティーバー)もはじまっていますし、60歳以上はほぼ全員がテレビを視聴しているという結果もあります。
今後、高齢化が進めば、今はスマホでYouTubeを見ている人も、60歳台に突入すればテレビを見るようになるかもしれません。したがって、テレビの時代は終わったとは言い切れません。主張を裏付ける事実が積み上がっていないと説得力は減退します。
主張を裏付ける客観的な数字や出来事が積み上がっているかを、検証しましょう。
「なぜならば」で論拠を強化する
③論拠が希薄
たとえ主張が明確でも、論拠(理由)が薄いと納得してもらえません。「なんとなく」では、主張は通らないのです。
例えば、職場の人間関係をよくするために、「月に1回、みんなで雑談をする時間を設けませんか」と上司に主張しました。でもその論拠が、「なんで雑談が人間関係をよくするのか?」とつながっていないと採用されません。
論拠を強化する方法が必要ですね。そのためには、「なぜならば」の口癖を普段の会話に足してみることを推奨しています。
「黒毛和牛バーガーを食べよう」→「なぜならば100万食限定だから」
「週末は映画を観よう」→「なぜならば仕事のことを強制的に忘れる時間をつくる必要があるから」
「毎日25グラムナッツを摂ろう」→「なぜならば不飽和脂肪酸が豊富で、乾燥肌の予防やアンチエイジングに役立つから」
漫然と行動せず、理由を明確にするちょっとしたトレーニングです。
相手に納得してもらえるかどうかは、ほんとに紙一重です。ぜひ、今回の3つの落とし穴を確認し、相手から「YES」と言ってもらえるロジックを確立してください。