「1日半熟卵3個」をおすすめする理由
まず、なぜ卵は半熟がいいのかお話ししましょう。卵の白身には「アビジン」というタンパク質が含まれています。このアビジンはタンパク質の吸収を阻害してしまうのですが、熱を加えて固まると活性が失われます。逆に黄身の方は、加熱することで構造が変化して、黄身に含まれる各栄養素の機能が損なわれる可能性があります。
つまり、卵の白身だけに熱を加えてアビジンを失活させ、黄身にはできるだけ火を通さず栄養を生かしておくのがベストというわけです。3個という数にも理由があります。タンパク質の量です。卵3個には約20グラムのタンパク質が含まれます。人間が一度に吸収できるタンパク質の量は除脂肪体重×0.7グラムぐらいまで。
成人の場合、計算すると1食あたりのタンパク質の摂取量は20~30グラムが上限です。卵3個だと、ちょうどそのぐらいになるんですね。さらにタンパク質は、過剰摂取すると腸内の悪玉菌が増えて腸内環境が悪化します。1回の食事で、取りすぎない範囲で必要なタンパク質の量を摂取するには、卵3個がぴったりなのです。
電子レンジ約90秒でいい具合の半熟に
ただ、意外に半熟卵を作るのは火の通し加減が難しく、熱を加えすぎて、どうしても黄身が完熟寄りになってしまったりするものです。そこで、簡単に半熟卵を作る方法をご紹介しておきます。
丼に卵を3個割り入れて、ラップをします。それを電子レンジに入れて、500ワットで90秒ほど加熱してください。たったこれだけで、ちょうどいい具合の半熟卵を作ることができます。出社前などの時間がない朝でも、さっと準備して食べられるので、忙しい社会人にもおすすめの方法です。
また、レンジで加熱するのではなく、どうしてもゆで卵にして食べたいという方は、次の方法を試してみてください。
鍋でお湯を沸騰させて、いったん火を止めます。冷蔵庫から出したばかりの鶏卵を、おたまなどでそっとお湯に入れます。ここで火を止めなかったり、直接手で入れたりするのは、殻にひびが入りやすいため、あまりおすすめできません。
鶏卵をお湯に入れたら再び火をつけて、お湯が沸騰した状態で6分間ほど茹でます。時間になったらすぐに冷水にあげて、今度はしっかり冷やしてください。これで、ちょうどいい具合の半熟のゆで卵が作れます。
もちろん鶏卵の大きさなどで火の通り具合が多少変わるので、ご自宅でちょうどいい加熱具合が見つかるまで、いろいろと試してみてください。