「プロマネ」の難しさ
ただし、従来の「縦のコミュニケーション」に比べて、「横のコミュニケーション」は格段に難易度が高くなります。
なぜなら、プロマネには人事権がないからです。
プロジェクト・メンバーの配置を決めるのも、評価するのも、その人が本来所属している組織の直属の上司です。
プロマネには、その権限がありません。よって極論すれば、「プロマネに嫌われても、直属の上司に嫌われなければいい」と考えるメンバーがいてもおかしくないわけです。
同じ社内の人間でもそう考えるリスクがあるのですから、一緒に仕事をするのが外部の人や企業だったら、それこそ「あのプロマネは気に入らないから、自分たちはこのプロジェクトから降りる」と言われかねません。
縦の上下関係の中では、人事権を持つ上司が圧倒的に強い立場なので、多少マネジメント能力に問題がある人でも自分の指示に部下を従わせることが可能です。
しかし、人に関する権限や裁量を持たないプロマネはそれができない。ここに「横のコミュニケーション」で人を動かしたり、チームをマネジメントする難しさがあります。