AI時代に「生き残れる人」と「仕事を失う人」はどこが違うのか。元ソフトバンク社長室長の三木雄信さんは「ホワイトカラーのルーティンワークはいずれ消滅する。これからは、業務をプロジェクトと捉え、社内外の人材と協力して進めていく『プロジェクト・マネジメント』のスキルが必要だ」という――。(第1回)

※本稿は、三木雄信『仕事が速いチームのすごい仕組み』(PHPビジネス新書)の一部を再編集したものです。

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写真=iStock.com/Shutthiphong Chandaeng
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日常業務のなかでジワリと増えてきているある仕事

「プロジェクト的な仕事」の定義とは、次の通りです。

①明確な納期または締め切りがあり、ある一定期間に行う仕事
②(日々継続的に仕事を一緒にしているわけではない)他部門の人、あるいは外部の企業や個人と共同で進める必要がある仕事
③過去にやったことがない仕事で、達成したい目標は定まっているものの、それを実現する具体的な手段や手順があらかじめ明確になっていない仕事

いかがでしょうか。

「プロジェクトなんか関係ない」と思っていた人でも、こんな仕事なら日常業務の中にもたくさんあるのではないでしょうか。

ルーティンワークはいずれ消える

では、なぜこうした「プロジェクト的な仕事」が増えているのでしょうか。

そこには、ビジネス環境の変化が大きく影響しています。その変化を読み解くキーワードは、「AI(人工知能)化」「グローバル化」「カスタマイズ化」「高速化」です。

「AI化」は、驚くべき速さで世の中を変えつつあります。

いまやAIと無縁のビジネスを探すほうが難しいくらいですし、一見するとアナログに思える作業でも、必ずAIが関わってきます。

2022年11月末にOpenAIがリリースした対話に特化した言語モデルのChatGPTは、あらゆる分野で急速に活用されつつあります。

例えば、メディア企業において動画からテキストベースの記事作りを行ったり、製薬企業での新薬の開発において活用されています。今後、ますますこのようなAI活用は広まっていくでしょう。

そうなれば、ルーティン的なことや組み合わせをたくさん試行錯誤するような仕事は人間の仕事ではなくなってくるはずです。

その時に、人間に残る仕事は「プロジェクト的な仕事」だけになるでしょう。