「老後の備え」として持ちたいマイホーム

そこで老後も都市部に住みたいという場合は、現役のうちにマイホームを買っておくこともひとつの手です。仮に老後にお金がなくても、とりあえず住むところには困らないというのは、ひとつの安心材料だからです。

定年退職と同時にローンの返済が終わるようにしておけば、多少は修繕費がかかったとしても老後の住居費はかなり抑えられます。持ち家は負債と言われることもありますが、こう考えれば「老後の住居費の前払い」と言えるでしょう。

今は住宅ローンの金利は優遇されていますし、ローンを組めば通常は団信(団体信用生命保険)に加入しますから、生命保険の代替にもなり得ます。住宅ローン控除も受けられますから、節税にもなる。

さらに利便性の良い場所であれば、売ることも貸すこともできるし、リバースモーゲージ(自宅を担保にお金を借り、自分が死んだら金融機関がそのマイホームを売却して資金回収する仕組み)も使える可能性が高まりますから、老後の選択肢は増えるでしょう。

マンションの場合は「管理費+修繕積立金」に要注意

ただしマンションの場合、修繕積立金は一般的に徐々に高くなりますから、ローンを完済しても、管理費+修繕積立金で結構な金額が毎月かかります。

また、大規模修繕のために一時金を徴収されるケースもありますし、老朽化しても建て替え問題の協議が難航しているマンションもあり、注意が必要です。

スタイリッシュなコンドミニアム
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さらにマンションは多種多様な人が住んでいますから、住人で構成されている管理組合が紛糾することもあります。

また、将来転居の必要に迫られたときにマイホームが足を引っ張らないように、「貸せる」「売れる」ような場所を選ぶことです。

家を買うときは、その物件を貸したらいくらの家賃で貸せるか賃貸ポータルサイトで相場を調べ、住宅ローンの返済額+諸経費(固定資産税、管理費、修繕積立金)の額と比べてみる。その差が小さいとか、家賃のほうが高くてむしろプラスになるという物件のほうがよいでしょう。仮に何らかの理由で転居しなければならないとか、住宅ローンの返済が苦しいといった場合でも、家を売ることなく所有し続けることができます。それに、貸せる物件は売れる物件でもあります。